カテゴリー: 裁判例
2020年7月9日
「障害基礎年金不支給処分取消訴訟(知的障害)」⑮
◆平成30年の東京地裁判決を取り上げます。
日常生活能力の判定の各項目について、順次情報を整理していきます。
「適切な食事」について
<診断書記載の医師の評価>
自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる。
<病歴状況申立書>の要点
・炊事はできない
・家族が用意した食事を食べることはできる
・値段や栄養バランスを考えて調理が必要な食品を選んで購人することはできない
<証人原告母の証言>の要点
・食事はおなかがすいたら目の前にある出来上がったものを食べるという状況
・栄養バランスという概念がない
・電子レンジを使用する際適切な時間調整ができない
この点について裁判所はどう判断したのでしょうか。
次回に続く
2020年7月7日
「障害基礎年金不支給処分取消訴訟(知的障害)」⑭
◆平成30年の東京地裁判決を取り上げます。
裁判所はどんな検討を経て判断を下したのかを見ていきます。
まず、原告、被告双方の主張を踏まえ、医師の診断書中、日常生活能力の判定の各項目及びその程度の記載の評価について次の情報を基に相当性を検証するとしています。
①病歴・就労状況等申立書の記述
②証人(原告の母)の供述
③証人(原告の中学校時代の担任)
次回に続く
2020年7月5日
「障害基礎年金不支給処分取消訴訟(知的障害)」⑬
◆平成30年の東京地裁判決を取り上げます。
本件における裁判所の判断に至るまでの手法を大まかに言うと次の通りです。
1.判断の根拠は障害認定基準に求める
2.検証の材料は
(1)診断書
(2)病歴・就労状況等申立書
(3)おそらく原告の申し立てによるであろう証人の証言
これらの検証材料を丹念かつ詳細に検証し、その評価を明確にしています。
なお、(3)は裁定請求、審査請求、再審査請求では認められていないものです。
だからこそ、(1)(2)の一言一句が重いものであることがわかります。
次回に続く