2019年11月18日
「一人一年金の原則」
将来、公的年金の複数の支給事由が発生したらどうなる?
◆公的年金の支給事由は、老齢、障害、遺族
20歳前の傷病による障害基礎年金を受給しているお子様が、障害者枠で企業に雇用され、厚生年金に加入した場合を例に将来の受給パターンを見ていきましょう。
上記のお子様は、既に支給事由が障害の受給権を有しており、障害の程度が変わらなければ障害基礎年金を終身で受給できます。
さらに、老齢厚生年金の受給権を取得して65歳に達した場合、一人一年金の原則からは、
①老齢基礎年金+老齢厚生年金
or
②障害基礎年金
の選択になりそうです。
しかし、別の選択が可能です。
①老齢基礎年金+老齢厚生年金
or
②障害基礎年金+老齢厚生年金
が選択肢として認められています。
有利な方を選択できます。
一人一年金の原則から見れば例外ですがOKです。
障害をお持ちにも関わらず、長年頑張ってきたご褒美と言えるでしょう。
2019年11月17日
「審査請求の窓口」
裁定請求に対してなされた不支給決定に不服…
◆審査請求の窓口
何とか用意した裁定請求書で請求したが結果は不支給決定。
納得できないので審査請求したい…。
窓口はどこ?
年金事務所でも市役所でもありません。
窓口はさいたま市にある厚生労働省関東信越厚生局です。
中央省庁には出先機関があります。
管轄エリアは中央省庁毎に独自ですが、長野県を管轄する厚生労働省の出先機関は、“関東信越厚生局”です。
ちなみに、関東信越厚生局の管轄区域は 茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、山梨県、長野県 となっています。
裁定請求に関する審査=日本年金機構、不服申し立てに関する審査=厚生労働省という図式です。
2019年11月16日
「受給権がなくなるのはどんな場合か」
有期認定の更新時に等級から外れると受給権がなくなるか?
◆こんなご質問をいただくことがあります。
“うちの子は障害基礎年金2級の有期認定。更新時に2級から外れたら受給権が消滅してしまうのでしょうか?”
受給権が消滅することを“失権”といいます。
上記のご質問は、失権事由が何なのかを把握することで解決します。
65歳到達前と65歳到達以降を分けて考える必要があります。
【65歳到達前の失権事由】
①受給権者が死亡した場合
②併合認定によって新たな障害の受給権を取得した場合
この②の場合は上位等級の障害年金を受給できるますので、危惧する必要はありません。
したがって、65歳到達前は、受給権者が生存している限り受給権が消滅することはないことから、更新時の級落ちで受給権が消滅することはありません。
【65歳到達以降の失権事由】
上記に加えて、障害の程度が障害厚生年金の1級から3級に該当しなくなってから3年経過した場合が加わります。
2級ではなく3級に該当しなくなった場合ですから、症状は相当回復した状態です。
また、老齢基礎年金の受給権が発生する年齢に達することが65歳到達前との大きな違いとなります。
以上のことから言えるのは、障害の程度が等級に該当している限り、障害年金の受給権は終身の権利と言えるでしょう。