タグ: 有期認定

2019年11月16日

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「受給権がなくなるのはどんな場合か」

有期認定の更新時に等級から外れると受給権がなくなるか?

◆こんなご質問をいただくことがあります。

“うちの子は障害基礎年金2級の有期認定。更新時に2級から外れたら受給権が消滅してしまうのでしょうか?”

受給権が消滅することを“失権”といいます。

上記のご質問は、失権事由が何なのかを把握することで解決します。

65歳到達前と65歳到達以降を分けて考える必要があります。

【65歳到達前の失権事由】

①受給権者が死亡した場合

②併合認定によって新たな障害の受給権を取得した場合

この②の場合は上位等級の障害年金を受給できるますので、危惧する必要はありません。

したがって、65歳到達前は、受給権者が生存している限り受給権が消滅することはないことから、更新時の級落ちで受給権が消滅することはありません。

【65歳到達以降の失権事由】

上記に加えて、障害の程度が障害厚生年金の1級から3級に該当しなくなってから3年経過した場合が加わります。

2級ではなく3級に該当しなくなった場合ですから、症状は相当回復した状態です。

また、老齢基礎年金の受給権が発生する年齢に達することが65歳到達前との大きな違いとなります。

以上のことから言えるのは、障害の程度が等級に該当している限り、障害年金の受給権は終身の権利と言えるでしょう。

2019年10月23日

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「法定免除」その②

保険料を納付した方が良いのか…

◆お子さんが障害基礎年金の受給権を取得したら保護者が検討すべきこと

前回の続きです。

法定免除で保険料を支払わなかった場合、将来障害基礎年金が支給停止となった場合に支給される老齢基礎年金の額は確実に障害基礎年金を下回ることになります。

このため、法定免除対象者でも将来の老齢基礎年金受給の可能性も想定して、保険料を納付 することが認められています。

有期認定の場合は、更新の際の級落ちでの支給停止など生涯に渡り障害年金を受給することが保障されていないため、このリスクヘッジをどうするかです。

つまり、65歳以上で障害基礎年金を受給できないリスクに備えて、今から保険料を納付しておくか否かの判断が必要ということです。

なお、「永久認定」されている方は、所得制限を超過しない限りは生涯に渡り障害基礎年金を受給できることからこの検討は不要であり、保険料を納付する必要はありません。

現行制度では、10年以内なら追納することで老齢基礎年金の減額を防ぐこともできることから、判断を先送りにすることもできます。

老齢基礎年金には付加年金や振替加算などオプションもあることから、単純な想定はできません。

この辺りは、年金事務所または年金に精通した社会保険労務士に相談されてから判断されることをお勧めします。

障害年金の受給権を取得しても安堵せず、長期的にお子様の将来を考えていきましょう。

2019年10月22日

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「法定免除」その①

保険料を納付した方が良いのか…

◆お子さんが障害基礎年金の受給権を取得したら保護者が検討すべきこと

厚生年金保険事業所に勤めていないお子さんは、国民年金の第1号被保険者であり保険料の納付義務があります。

しかし、障害基礎年金(1級又は2級)の受給権を取得した場合は、国民年金の保険料について法定免除となります。

ここで法定免除に係る所定の書類を提出するのは簡単ですが、その前に知っておいていただきたいことと、検討していただきたい事項があります。

受給する障害基礎年金が「有期」となっている場合は、今後、障害の程度が軽快し(これはこれで望ましいことですが)、障害基礎年金を受給できる障害の状態に該当しなくなる可能性があります。

障害基礎年金を受給している方が65歳になり、老齢基礎年金の受給資格要件を満たしていれば、同時に老齢基礎年金の受給資格を取得することになります。

しかし、ひとり1年金の原則があるからどちらか1つの年金を選択して受給することになります。

障害基礎年金は、加入義務がある20歳から60歳まで保険料を納付したものとした金額が給付されます。

しかし、老齢基礎年金の給付額は、保険料が法定免除で納付されなかった期間は算定されません。

したがって、害基礎年金≧老齢基礎年金の関係となります。

続きは次回