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2020年1月21日
「焦点の広さと記述の工夫」その②
障害認定基準の数値の有無と記述の厚み
◆障害年金の請求行為の本質
前回の続き
聴覚障害は求められている要件が両耳の聴力レベルであることから、ここに焦点を絞ることができます。
また、数値要件も明確なことから、提出書類のチェックはやり易いものと思います。
これに対して、知的障害は「日常生活全般」が対象となることから間口が広く、かつ「全面的な援助が必要」とされることから奥行きも深く焦点も広そうです。
さらに、「全面的」か「全面的でない」かも客観的な指標がなく、請求人側の価値観と審査官の価値観が必ずしも一致するとは限りません。
書類作成にあたって何を優先して、どの程度の記述の厚み(ボリューム)で、どう表現していくか、精度の高い書類にするためには相当の工夫が必要と言えるでしょう。
等級認定の難易度は比較できませんが、書類作成の難易度は知的障害の方が高そうです。
2020年1月20日
「焦点の広さと記述の工夫」その①
障害認定基準の数値の有無と記述の厚み
◆障害年金の請求行為の本質
請求人が障害認定基準で示された障害状態にあることを書面により証明する行為
これが障害年金の請求行為の本質であるものと考えます。
この認識を基に、提出する書類の質について考えてみたいと思います。
始めに、障害認定基準の中のふたつのカテゴリー、具体的には“聴覚の障害”と“知的障害”に焦点を当てます。
障害認定基準に記載されている、それぞれの1級の障害状態の要件は次の通りです。
・聴覚障害
両耳の聴力レベルが100デシベル以上
・知的障害
知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
次回に続く
2019年12月20日
「形容詞」
線引きはどこから?
◆障害認定基準から
障害認定基準を見ていると、形容詞の有無が目に付きます。
例えば知的障害
1級の例示で、「…全面的な援助が必要であって…」
2級の例示で、「…援助が必要であって…」
発達障害では
1級の例示で、「…著しく不適応な行動がみられるため…」
2級の例示で、「…不適応な行動がみられるため…」
とされています。
「全面的」、「著しく」などの形容詞が付く状態がどこからを示すのかの客観的基準は、少なくても公表されている資料からは不明です。
ということは、このあたりの線引きは、審査する保険者の裁量の範囲ということになります。