タグ: 20歳前傷病
2019年10月19日
「20歳に達する日」
20歳に達する日はいつ?
◆年齢の考え方
20歳前の傷病による障害基礎年金の場合で、初診日から1年6か月を経過した日が20歳到達日前なら20歳到達日が障害認定日となります。
では、「20歳に到達する日」とは具体的にいつのことを指すのでしょうか。
これまでの経験からは、誕生日に1歳年齢を重ねるとお考えの方がほとんどであろうと思います。
したがって、“20歳に達する日はいつ?”と聞かれれば、“20回目の誕生日”と答える方がかなり多いのではないでしょうか。
しかし、法律上、上記の質問に対する答えは違います。
法律上は、誕生日の前日に1歳年齢を重ねると考えます。
したがって、“20歳に達する日”とは、20回目の誕生日の前日となります。
20歳前の傷病による障害基礎年金を認定日請求する場合、20歳に達する日の前後各3ヶ月の現症日の診断書が必要ですが、この基準となる日は誕生日の前日となるのです。
2019年10月13日
「所得制限による支給停止」その①
ご依頼人から必ず質問されることは…
◆養護学校OB・OGの保護者の方からのご依頼で、裁定請求の代理人として関与させていただいている期間中、ほぼすべてのご依頼人から必ず質問される事項があります。
それは 「いくら以上所得があると年金をもらえなくなりますか?」
数回に分けてこのテーマを掘り下げてみたいと思います。
◆所得制限がある年金は?
まず、所得制限があるのは「20歳前の傷病による障害基礎年金」です。
国民年金加入義務が発生する20歳前に初診日がある場合に支給される年金です。
多くの養護学校卒業生はこの種類の年金を受給されていることと思います。
なぜ、この年金に所得制限があるのか?
まずは年金の本質から見る必要があります。
“年金は保険のひとつの類型です。”
公的年金の場合は、国が保険者で国民が被保険者となります。
保険の原理によれば、被保険者は保険者が定めた保険料を納付する義務があります。
皆様が加入する年金保険料を納付するのはこのためです。
しかし、基礎年金においては、この保険の原理が曲がる場面があります。
そのひとつの場面が、“20歳前の傷病による障害基礎年金”なのです。
保険料を納付しなくても受給できることから所得制限の仕組みがあるのです。
参考までに 厚生年金を規律する法律は厚生年金保険法に対して、国民年金を規律する法律は国民年金法です。
法律のネーミングを見て何か気づきませんか?
厚生年金には“保険”の文字があるのに対して、国民年金には“保険”の文字がありませんね。
なぜかというと、国民年金には保険の原理が適用されない20歳前の傷病による障害基礎年金のような無拠出の制度があるからなんです。
法律って緻密なものなんですね!
続きは次回