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2019年11月24日

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「障害年金と傷病手当金」

事後に返金しなければならないケースも…

◆どんな場合に調整されるか?

傷病手当金は、健康保険加入者が私傷病により就労できない期間について、一定の要件を満たした場合に所得補填を目的とする給付です。

傷病手当金受給者が、受給期間中に障害厚生年金の受給権を取得して、両方の受給期間が重複した場合は併給調整されます。

障害厚生年金が優先して支給され、傷病手当金に制限がかかります。

所定の計算で傷病手当金の方が高額の場合は、障害厚生年金との差額が傷病手当金から支給されます。

つまり、傷病手当金額が保障されるということです。

しかし、併給調整がされない場合があります。

障害厚生年金と傷病手当金の原因となる傷病が異なる場合と障害基礎年金のみを受給している場合です。

傷病手当金の支給期間は最大1年6月と限定されていることから、これから両制度の手続きを取ろうと想定されている方は、先ず傷病手当金の手続きをされることをお勧めします。

なお、障害厚生年金を遡及請求して、結果として受給期間が重複した場合は、傷病手当金の返金が発生します。

2019年10月24日

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「障害年金受給と扶養」

障害をお持ちのお子様が障害年金の受給権を取得した場合に、税と健康保険の扶養の扱いはどうなるか?

◆税と健康保険で被扶養者の捉え方は異なる 今回は障害をお持ちのお子様が障害年金の受給権を取得された場合、税と社会保険(健康保険)両面からお子様を扶養されているご両親にどんな影響があるかを考察します。

◆こんなケースを前提として進めます。

ご両親と障害をお持ちのお子様の3人暮らし。

お父様は会社勤めで、お母様は専業主婦。

お子様は障害者枠で企業に勤務しているが、社会保険未加入。

お父様は毎年の年末調整でお子様を対象に扶養控除と障害者控除を受けてきた。

お父様は協会けんぽの被保険者で、お子様は被扶養者として認定されている。

今回お子様の障害基礎年金の受給権が認められた。

 とします。

◆税の扶養への影響は?

所得税、住民税の算定における被扶養者の所得要件は、38万円以下とされています。

障害年金は非課税所得ですので、所得の概念としてはゼロです。

したがって、お子様が障害年金を受給されても、お子様の給与所得が前年の年末調整同様ボーダーラインを超えない限り、扶養控除、障害者控除ともOKです。

お父様の税への影響は無いと言えます。

健康保険の扶養への影響は?

健康保険の被扶養者の認定に係る収入要件は、障害者の場合年間180万円未満です。

税は所得で判定しますが、健康保険は『恒常的な年間収入の見込み額』で判定します。

しかも、この収入には非課税所得である障害年金も含まれます。

捉え方が収入ですから。

2019年度の障害基礎年金の給付額は、1級が975,125円、2級が780,100円です。

つまり、お子様の給与収入見込み額が、(1,800,000円-上記の年金給付額)の範囲に納まり、かつ、総収入見込み額がお父様の収入の半分以下であれば、被扶養者の認定がなされることになります。

仮に、この制限を超える場合は、単独で国民健康保険に加入せざるを得ません。

国保税は世帯主に納税義務がありますので、お父様の負担が増えることになります。

この辺りの知識を整理して、的確にご対応いただくと無駄な出費を抑えることができます。

浮いたお金はお子様の口座に入金しておいてあげたらいかがでしょう。