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2020年7月1日

「障害基礎年金不支給処分取消訴訟(知的障害)」⑨

◆平成30年の東京地裁判決を取り上げます。

次の論点として就労についてはどうだったのでしょうか。

論点2

裁判所が認定した事実から原告の就労に関する様子を再現します。

原告は就労支援センターを利用し,高校卒業後,障害者の雇用の促進等に関する法律44条1項に基づき,厚生労働大臣の認定を受けた会社に,障害者雇用枠にて,1年単位の有期雇用の契約社員として採用された。 

その後,現在に至るまで,本件会社の客室乗務員の制服等管理の部署にて,月に20日程度勤務し,

①着用後の制服,スカーフ等をたたむ係

②上記制服等に縫い付けられている個人バーコードを読み取る係

③上記を番号順に並び替える係 ④クリーニング店より仕上がってきた制服のバーコードを読み取る係

⑤上記を種類ごとに分ける係

⑥上記を番号順に並び替える係

⑦上記番号を個人別に集めてカゴに入れていく係

⑧出来上がった制服等をカウンターで渡す係

といった細分化された業務を,管理職員の指示のもとローテーションにより行い,毎月18万円から20万円の収人を得,その他賞与を受けてきた。

本件会社は,現場の従業員は,その全員が知的障害者のほか,身体障害者も含む障害者手帳所持者であり,管理職員の全員が障害者の雇用の促進等に関する法律79条所定の障害者職業生活相談員である。

原告は,自宅から本件特例子会社まで,約1時間の時間をかけて通勤している。

往路は,基本的に父親に車で駅まで送ってもらい,駅から電車に乗って出勤するが,父親の都合がつかない場合は,一人で電車を乗り継いで出勤する。

また,復路は,一人で又は職場の同僚と電車を乗り継ぎ,自宅までは一人で帰宅している。

次回に続く