タグ: 時効

2020年5月28日

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「障害年金で使用する用語を知ろう」

しばらく障害年金で使用する用語を解説していきます。

◆基本権と支分権②

基本権と支分権の定義は前回述べました。

5年間権利行使しないと消滅時効にかかることは同じなのですが、取り扱いが決定的に異なります。

具体的に述べます。

障害認定日から5年経過すると消滅時効にかかるため、制度の原則に照らすと裁定請求はできないはずですが、所定の申立書を提出することで裁定請求(遡及請求)ができます。

主張権者である国が時効の援用をしないため時効が完成しないからです。

ここで障害年金受給の道を完全に閉ざしてしまうことはさすがに影響が大きく、障害年金の認知度、浸透度を考慮した上での扱いではないかと思います。

これに対して、支分権はこのような扱いをしてくれないため5年で消滅時効にかかります。

5年以上遡って認定日請求し、認定されても5年を超える部分は年金を支給してもらえません。

国が時効を援用するということです。

年金の裁定請求をしようか迷われている方、先延ばししても損することがあっても得することはありません。

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2019年11月15日

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「遡及請求」

“5年以上前の障害年金は受給できない”と耳にしたが…

◆障害認定日から5年以上経過しても年金の請求はできるか?

上記の問いに対しては、

5年以上経過しても遡及請求により裁定請求はできるが、障害認定日の障害状態による受給権が認められても受給できるのは直近5年分。

これが答えです。

年金受給権には基本権と支分権があり、国は前者については時効の援用をせず、後者については時効を援用するという難しい理論がありますが、このような理論の理解は受給権取得の観点からは何の役にも立ちません。

我々は、障害認定日から5年以上経過しても裁定請求できるという結論のみを押さえた上で、古い書類をどう揃えて行くのかについて知恵を巡らすべきです。

5年遡及 

これって結構すごいですよ!

障害基礎年金を例に、現行の給付額で単純に算定してみます。 (加給年金はないものとします)

1級 974,125円 × 5年 = 4,870,625円

2級 780,100円 × 5年 = 3,900,500円

しかも障害年金は非課税所得です。

遡及請求は専門知識の必要な部分もあることから、取り組みの入り口で専門家のアドバイスを求めることをお勧めします。