カテゴリー: 裁判例
2020年8月3日
「障害基礎年金不支給処分取消訴訟(知的障害)」㉚
◆平成30年の東京地裁判決を取り上げます。
次に、日常生活能力の程度についての判断を見ていきましょう。
診断書において、原告の日常生活能力の程度に係る医師の評価は
(4)知的障害を認め,日常生活における身のまわりのことも,多くの援助が必要である。(たとえば,簡単な文字や数字は理解でき保護的環境であれば単純作業は可能である。習慣化していることであれば言葉での指示を理解し,身辺生活についても部分的にできる程度)でした。
次回に続く。
2020年7月31日
「障害基礎年金不支給処分取消訴訟(知的障害)」㉙
◆平成30年の東京地裁判決を取り上げます。
これまで診断書記載の日常生活能力の個々の判定の評価を見てきましたが、裁判所は下記の通り総括しました。
「本件診断書における原告の日常生活能力の判定のうち,いくつかの項目においては日常生活能力をやや過小に評価しているきらいがないではないが,全体的な記載内容としてはおおむね相当である。」
次回に続く。
2020年7月28日
「障害基礎年金不支給処分取消訴訟(知的障害)」㉘
◆平成30年の東京地裁判決を取り上げます。
「社会性」についての医師の判定について、裁判所は書証から次の通り判断しました。
原告は役所や銀行などで書類を書く意味を理解しておらず,銀行などの利用は独力では不可能とされており,前記、金銭管理と買物についての判断に照らせば,本件診断書において,社会性,すなわち,銀行での金銭の出し入れや公共施設等の利用が一人で可能,また,社会生活に必要な手続が行えるなどの能力について,助言や指導をしてもできない若しくは行わないとされているのは相当というべきである。
次回に続く。