2020年8月14日

「障害基礎年金不支給処分取消訴訟(知的障害)」㉝

◆平成30年の東京地裁判決を取り上げます。

前回までの検討を踏まえ、裁判所は次のとおり判断しました。

原告の本件基準日における障害の状態は,障害認定基準にいう「知的障害があり,食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって,かつ,会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため,日常生活にあたって援助が必要なもの」に該当するか,又はこれと同等程度のものであり,障害等級2級に該当する程度のものであるというべきである。

次回に続く。

2020年8月9日

「障害基礎年金不支給処分取消訴訟(知的障害)」㉜

◆平成30年の東京地裁判決を取り上げます。

これまで日常生活能力の判定及び日常生活能力の程度を細切れに見てきましたが、一覧で見られるよう羅列してみます。

<日常生活能力の判定>

(食事)

診断書 自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる

裁判所の評価 診断書の判断は相当

(身辺の清潔保持)

診断書 自発的かつ適正に行うことはできないが助言や指導があればできる

裁判所の評価 診断書の判断は相当

(金銭管理と買い物)

診断書 助言や指導をしてもできない若しくは行わない

裁判所の評価 診断書の判断は相当でないとまでは言えない

(通院と服薬)

診断書 助言や指導があればできる

裁判所の評価 診断書の判断は相当

(他人との意思伝達及び対人関係)

診断書 助言や指導をしてもできない若しくは行わない

裁判所の評価 診断書の判断は相当とは言い難いが相当性を失うものではない

(身辺の安全保持及び危機対応)

診断書 助言や指導をしてもできない若しくは行わない

裁判所の評価 診断書の判断は相当とは言い難く問題点を指摘していると理解するのが相当

(社会性)

診断書 助言や指導をしてもできない若しくは行わない

裁判所の評価 診断書の判断は相当

<日常生活能力の程度>

診断書 知的障害を認め,日常生活における身のまわりのことも,多くの援助が必要である。

裁判所の評価 診断書の判断は相当

次回に続く。

2020年8月6日

「障害基礎年金不支給処分取消訴訟(知的障害)」㉛

◆平成30年の東京地裁判決を取り上げます。

裁判所は次の通り判断しました。

原告の日常生活能力の判定のうち,いくつかの項目においては日常生活能力をやや過小に評価しているきらいがないではないが,全体的な記載内容としてはおおむね相当であり,その内実についての診断書の日常生活能力の各項目の判定及び診断書の他の部分の記載を検討した結果に照らせば,原告の日常生活能力の程度について,

「(4)知的障害を認め,日常生活における身のまわりのことも,多くの援助が必要である。(たとえば,簡単な文字や数字は理解でき,保護的環境であれば単純作業は可能である。 習慣化していることであれば言葉での指示を理解し,身辺生活についても部分的にできる程度)」を選択した本件診断書の判断は相当というべきである。

次回に続く。