2019年10月22日
「法定免除」その①
保険料を納付した方が良いのか…
◆お子さんが障害基礎年金の受給権を取得したら保護者が検討すべきこと
厚生年金保険事業所に勤めていないお子さんは、国民年金の第1号被保険者であり保険料の納付義務があります。
しかし、障害基礎年金(1級又は2級)の受給権を取得した場合は、国民年金の保険料について法定免除となります。
ここで法定免除に係る所定の書類を提出するのは簡単ですが、その前に知っておいていただきたいことと、検討していただきたい事項があります。
受給する障害基礎年金が「有期」となっている場合は、今後、障害の程度が軽快し(これはこれで望ましいことですが)、障害基礎年金を受給できる障害の状態に該当しなくなる可能性があります。
障害基礎年金を受給している方が65歳になり、老齢基礎年金の受給資格要件を満たしていれば、同時に老齢基礎年金の受給資格を取得することになります。
しかし、ひとり1年金の原則があるからどちらか1つの年金を選択して受給することになります。
障害基礎年金は、加入義務がある20歳から60歳まで保険料を納付したものとした金額が給付されます。
しかし、老齢基礎年金の給付額は、保険料が法定免除で納付されなかった期間は算定されません。
したがって、害基礎年金≧老齢基礎年金の関係となります。
続きは次回
2019年10月21日
「期間の計算方法」
期間を法律的に考察しよう…
◆障害年金に必要な期間の考え方
障害年金に取り組む場合に、期間を正確に捉えなければならない局面があります。
例えば、障害年金の重要な概念のひとつに障害認定日があります。
この日は、障害等級に該当する程度の障害の状態にあるかを判定する日であり、障害年金を請求できる初日でもあります。
具体的には、国民年金法第30条において、障害認定日は「初診日から起算して1年6月を経過した日」と定義されています。
例外もありますが、期間の考え方の考察が趣旨ですので例外は考えないものとします。
「期間」について法律的な考え方の一般則は、民法第140条に規定されています。
第百四十条 日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
法律の考え方は、初日不算入が原則なんです。
初日不算入ということは、初日の翌日が起算日(第1日目)ということです。
国民年金法はこの例外にあたります。
上記で引用した国民年金法第30条をよく見てください。
“初診日から起算して”となっていますね。
つまり、初日=初診日を起算日とするということです。
さらに、引用した国民年金法第30条にはもうひとつ重要なことが書かれています。
“…1年6月を『経過した日』”
1年6月の期間が満了し、この期間が過去になった最初の日のことです。
文字で表現するとわかりづらいのですが、障害認定日の簡単な割り出し方はこうです。
初めて受診した日をカレンダーにマークし、“18回目の同じ日”を探す。
これが障害認定日となります。
この日は事前に把握できますので、計画的に請求の準備を進めていきましょう!
2019年10月20日
「現症日」
聞き慣れない用語だけどどんな意味?
◆これから障害年金を請求予定の方に知っておいていただきたい用語
「現症日」 何それ?聞いたことない… という方も多いと思います。
しかし、これから障害年金の請求手続きをお考えの方には重要な用語なので、解説しておきます。
障害年金の請求手続きには診断書が必須であり、主治医に作成を依頼することになります。
この診断書は、障害年金専用の様式が定められており、日本年金機構のサイトで確認できますが、この中に【障害の状態(平成・令和 年 月 日現症)】と赤字で印刷されている項目があります。
現症とは、『どの時点』での症状を証明する診断書なのかという意味です。
診断書の作成日を意味するものではありません。
この「現症日」が重要な理由は、
例えば、障害認定日請求であれば障害認定日後3ヶ月以内の診断書が必要ですが、この期間制限の枠の中に納まっていなければならないのは、この「現症日」です。
上記の期間制限の範囲に納まっていない現症日の診断書では書類が受理されませんし、審査の対象外であり、診断書の取り直しを余儀なくされることになります。
以上の知識を持って、主治医に診断書の作成を依頼しましょう。