2019年11月4日

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「再審査請求の統計」

高いハードル…

◆厚生労働省の統計から見えてくるもの

不服申し立ての第2審である社会保険審査会への再審査請求について、厚生労働省から平成30年度の処理状況が公表されましたので見てみましょう。

【平成30年度】

①容認(請求人に軍配を上げる) 91件

②棄却(保険者に軍配を上げる) 1,148件

③却下(門前払い) 105件

④原処分変更による取下げ(保険者が裁決前に自主判断で原処分を変更)113件

⑤他の理由による取下げ(請求人が自主的に裁決を求めない) 23件

請求人側の主張が通ったと言えるのは、上記の①及び④です。

計算すると全体に対する割合は、13.78%

社会保険審査会の審査対象は障害年金のみではなく社会保険制度全体なので、上記の数値は障害年金のみの数値ではありません。

しかし、不服申し立ては障害年金が圧倒的に多いため、上記の数値は障害年金の傾向を表していると見ることができます。

したがって、“社会保険審査会で主張が認められる確率”は極めて低いと言えます。

ここから見えてくるものは何か?

当初の裁定請求の段階で精度の高い書類を揃えることにより、審査請求に進まなくても良い状況を作ることが大切だと言えるでしょう。

2019年11月3日

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「相続財産と所得制限」

20歳前の傷病による障害基礎年金受給中のお子様が相続したら…

◆まとまった財産を相続した場合の障害年金への影響

20歳前の傷病による障害基礎年金の所得制限について、何度かブログで触れてきましたが、別の観点から再度触れたいと思います。

相続した財産が障害年金の所得制限基準を超えていた場合、年金は支給停止になるのでしょうか。

原則、支給停止になりません。

所得制限にかかるのは、“所得”です。

つまり所得税の対象となるものです。

相続財産は“相続税”の対象になるものですから。

原則と書きましたが、では例外は何か?

例えば、賃貸マンションや貸地などが相続財産だった場合です。

財産自体は相続税の対象ですが、相続によりオーナーチェンジがあった場合は、財産の承継者に所得が発生します。

家賃収入や地代収入は所得税の対象となることから、所得制限にかかる場合があり得ます。

お子様に収入が発生する資産を残そうとお考えの方も、おいでになることと思います。

この場合、資産の管理方法の検討と併せて、障害年金の影響する可能性があることも押さえておいていただきたいと思います。

2019年11月2日

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「不支給決定に異議アリ」

社会保険審査官及び社会保険審査会法とは?

◆裁定請求に対して、不支給決定通知書が届いたら

不支給決定に対する対応のひとつに、審査請求があります。

広く行政処分への異議に対しては、ルールの範囲内であれば不服申し立てができます。

障害年金を含む社会保険の分野も例外ではなく不服申し立てができますが、ルールを規律するのは通則的な法律である行政不服審査法ではなく、「社会保険審査官及び社会保険審査会法」という法律が適用になります。

どんな法律か興味のある方はネットでご覧ください。

不支給決定通知が届いた場合に、知識ゼロの方が仕事を持ちながら制度を勉強して、自力で審査請求することは現実問題として厳しいと思います。

3ヶ月の期間制限がありますから。

専門家に請求代理を依頼するか、最低限今後の進め方について、アドバイスを求める必要があると思います。

もちろん、行政手続きに明るい方はこの限りではありません。